ソウル10日目 

午前中からミーティング。
広報の写真やポスターのイメージとか。

ホンイと昼ご飯食べて、稽古。

色々身体を使ったことなどもやってみる。
こういうのは、やっぱ韓国での仕事でやるのはちょっと微妙な気がするなぁ。
日本で作った作品を持ってくるのなら別だけども。

ちょっと悩んでから、思い切って、典型的な、差別的な、日本が悪で、朝鮮が被害者だという認識に基づいた、表現で、やってみる。

踏み込みたくないなぁとは思っていたんだけども、まぁ、ここまでくると、今回の作品では、歴史問題を避けることはできないので、やるならばとりあえずやってみようかと。

日本人が、韓国で、こういう表現を、利用して、作品をつくるということは、恐らく今までもあんまやられてないとは思うんだけども、まぁでも、結構ドキドキする。
韓国側の被害者意識と、日本人の罪悪感の、バランスが、まだ全然掴めてはいないし、たぶんこれは掴むことはできないだろうな。

でもね、韓国ではとりあえずスタンダードな、その歴史認識をまず手がかりにするしかないかな。タプコルのレリーフみたいに。やるなら、やりすぎるくらいはやりたいし、それだけでは終わらないだろうし。
やるならとことんやらないと。でも変なヒロイズムには陥りたくないし、それが一番ヤバいだろうな。

でも、本当は、こんなことやる必要ない、ということは押さえておかないと。芸術は、歴史問題を取り扱う必要は無い。むしろ、国同士の軋轢と無縁の所で作業が出来ることが芸術の良いところだし。

ただ、韓日で、日帝時代を背景にした戯曲で、私たちのことを考える作品を作るのに、この問題を取り扱わない訳にはいかないし、作品のスタンスは韓国でも日本でも無いわけで、じゃあ今あるとされるもの、ないとされるもの含めて取り扱わないと、その反応も含めて取り扱わないと意味ないしなぁ。

もしかしたら稽古途中で、やはり取り扱うべきではないという結論になるかもしれないけども、せっかくデスロック全員でようやく挑めるタイミングだし、ぶっこんでみよう。

いや、でもね、感覚的には、けっこうシビれてる。
本物の日本人が、本物の韓国人をいじめている、という姿が目の前にある。
まぁ今や新大久保行けば簡単に観られるけども。
まぁその直後にお互いにすげー仲良いシーンとかもやってるけど。

なんかそんなことやってます。いよいよ。




稽古後には、ドゥヨンの作品を観に行く。
説明は昨日書いたので省略。
偶然青木さんとソヨンも観に来ていて再会。

作品は、ただでさえかなり難しい構造なので、言葉も難しくて全然わかんなかったけど、舞台上のチョンイムは、やっぱスゴかったなぁ。
今年BeSeToで日本にまた来るので是非彼女を観て下さい。
http://www.beseto.jp/20th/pre/#schedule
新国立劇場中劇場の「ペールギュント」の主演です。

そうそう、作品は、Tim Crouchの「An oak tree」です。
Tim Crouch、デスロックもこっそり出てた2010年のTPAMに来てたのか。
「An oak tree」はデスロックでやっても楽しそうだな。

チョンイムの旦那にもようやく会えた。
みんなで軽く飲んで、ソヨン、ミンベ、ドゥヨン、テッキ、ギウンさんと、更に飲んで帰宅。


こうなってくると、明日からの稽古は結構精神的にもしんどいなぁ。
まぁ楽しいこともやるけども。
今日の稽古でも一年くらい思い出し笑いできることが5回くらいあったしね。