ワークショップについて(2)

さて、前回の続きですが、まぁそんなに続いていませんが、

ワークショップのプログラムについて、徐々に具体的に書いていこうかと思います。



が、ワークショップはプログラム半分、ファシリテーション半分というところもあります。

プログラムによっては、誰がやってもある程度同じ効果が期待できるものもありますが、

されどファシリテーションは重要です。

同じプログラムでもファシリテーション次第でとんでもなくダメなワークショップになる

ということはいくらでもあります。



特ににこれからワークショップを始めたいという人は、既にあるプログラムをファシリテーションしてみる、

というのがいいと思います、が、なかなかそんな現場はありませんね。

でもできればお試しWSをやるのをお勧めします。

こういう風にこういうことをやろうと思っている、というのを聞いてもらうだけでも違います。



あと一度受けたワークショップからネタを拝借したりするのも、僕は良いと思います。

何しろ、自分がそのワークの効果を認めている、良いと思っているわけですから、

実はそこがとても大事です。

誰々さんがやっていたから、多分いいワークなんだろう、くらいでパクるとえらい目にあうでしょう。



よくある導入のゲームで「拍手回し」というのがあります。

参加者が立って輪になって、隣の人に拍手を回してスピードも上げていくという単純なものですが、

コミュニケーションの受け答え、受け取って、次に回す、という要素と、チームとしての団結感も生まれるので、

初めて出会った同士の参加者の場合はなかなかいい効果があります。

スピードを競ったりなんかして。



ただ、僕はこのワークは基本的にやりません。

なんとなく自分のプログラムの中では相性が良くない、

というか、自分自身あまりしっくり来ていないからです。

偶にやるときもありますが、まぁあまりしっくり来ません(笑)。



先日の高松でのワークショップラボでスピードを競わない拍手回しを見せてもらって、

それはしっくり来たので今後何かの折にやったろうとは思っています(笑)。



パクる場合は、自分が共感したワークのみにしましょう。

あと、自分はこのワークでこういう体験をしたから他の人にも同じ体験をしてほしい、

と思うと思いますが、それも実は危険です。

誰々さんの伝えたかったことを自分も伝える必要は全くありません。

まず人はみな同じ体験をできません。

もしかしたら自分と同じ風に感じる人もいるかもしれないし、違う面白さを発見する人もいるかもしれません。

当たり前ですが、これはこういうことを感じる為のワークです、というのは絶対言ってはいけません。

同じシーンを見て、悲しむ人と笑う人がいるのと同じです。

私たちは一人一人が物事をそれぞれ多様に受け取るということは、

体験を大事にするワークショップでは肝に命じておいた方がいいでしょう。

むしろ、同じワークの中で人によって違うことを感じるくらいの方がやってるこっちも楽しいですしね。

みんなが同じことを感じるなんて、それはむしろヤバイです。

別々のことを感じたけど、みんなコミュニケーションについては考えたよね、とか、

相手と自分が違うってことを共有したよね、とか、そういう感じがいいと思います。




さて、いよいよプログラムの内容に入りたいところですが、まだ入りません、すいません。

すぐ使えるネタが欲しいのに!というかた、もう少しです、次回のエントリーをご期待ください(笑)。



まずプログラムを考えるときのことから。

僕の場合、基本構成を三部構成で考えています。。

A 導入

B セカンドプログラム

C メインプログラム

場合によっては色々すっ飛ばして本題からいきなりという現場もあります。

基本、臨機応変、これ大事。



《A 導入 について》

俗にいうアイスブレイクというやつですが、実はアイスなんて無い場合もあるし、

ブレイクっていうか、だんだん溶けてくイメージなんだけどなぁ、

ということであまり僕はアイスブレイクとは言わないようにしてます。



青山学院大学にワークショップデザイナー養成講座という一般講座があって、

僕も偶に講師に呼んでいただくのですが、

企業の人材育成担当で本読んででワークショップ勉強しましたみたいな人に多いのが、

「さ、じゃあ今からアイスブレイクしまーす」と言って始めちゃう人(笑)。

ま、いいんですけどね、企業の人材育成ですから、全員新入社員で言うことも聞くでしょうから、

しかし、参加者のことを考えると、

今自分たちは他者に対して緊張しているので緊張をほぐす為のプログラムをやらされるのか、

と思いながら参加するのは、あまり良いとは思わないわけです。

まぁ教育的ですよね。まぁ悪いとは言いません。



さて、ワークショップの導入ですが、まぁゲームすることが多いと思いますが、

自分が気をつけていることをいくつか。


1、楽しいか。
2、参加者同士ができるだけ多くの参加者と接することができるか。
3、技術差がつかないか。
4、プログラム全体の紹介的な要素を含んでいるか。
5、参加者の様子を観察する時間を作れるか。



1は特に重要、むしろ楽しければオッケーかもしれません。
僕も現場の雰囲気によっては楽しいだけのことに終始するときもあります。


2は、知らない人同士が多い場合は特に必要です。
むしろ中高生のクラスの場合などは、嫌いな人同士組まされてテンション下がる、
と言うことの方が多いので、導入の時点ではあまり混ぜない場合もあります。


3は、基本的にゲームの類は技術差がない方が、盛り上がります。
誰が勝つかわからないゲーム、どうやれば上手くいくか誰も知らないゲーム、
の方が盛り上がるんです、まぁ、そりゃそうですよね。


4は、自分は結構大事にしてる方だと思います。
まだまだワークショップってなに?みたいなことが多いですから、
今日はこう言う感じで行きますよ、と自分が言えることをやろうとは思っています。
コミュニケーションワークショップだったらコミュニケーションについての要素を、
演劇を作る場合は共同作業や人目に晒される要素を忍び込ませておくのも大事です。
最初の自己紹介でそう言う話を入れていくことも多いです。


5は、ゲームやりながらでも良いですが、参加者の様子を見てその後の進行を考える時間は必要です。
特に学校アウトリーチでは必須の要素でしょう。
男女仲がどうか、このクラスを仕切っているのは誰か、目立ちたがりの男子を諌める女子がいるか、
盛り上げるタイプがリーダーか、盛り下げるタイプがリーダーか、見所だらけです(笑)。
一般向けの場合は、場に対して開きにくい人はいないか、
基本的に導入は全員が場に対して安心する為の時間でもあるので、そこを見ます。
ほぐれていなければプログラムを追加します。
なので、プラス一遊びくらい追加できる準備をできていた方が好ましいです。
ただこれは時間配分もあるので経験は必要ですね。


基本的に、ワークショップはコールアンドレスポンスです、
参加者の状況を見て柔軟にその場でプログラムを組み替えていけるようになれば
いっぱしのファシリテーターと言えるでしょう。
まぁ、なかなか難しいです。自分もまだまだ失敗はします。
ほんと凹みます、、、



《B セカンドプログラムについて》

まず、セカンドプログラムという言い方は、勝手に作りました。
特に一般的でもなんでもありません。
ただ、セカンドなんです。ここ結構大事なんです、ファーストではないんです。
本当はここから始めたいくらいですが、そうもいかないので。

気をつけていること。

1、メインプログラムへの動機付けになっているか。
2、ここで終わっても効果が期待できるか。


1は、当たり前ですね。

2がなかなか重要です。ワークショップの時間の使い方は柔軟性が全てです。
その日、その参加者の流れで、ワークショップの終わりも変わります。
別に最後のプログラムまでいかなくてはいけないわけではありません。
その時に一番大事な瞬間をどう作るかです。
導入ではなかなか難しいですが、セカンドプログラムでは、
この日ここを深追いして終わっても自分の渡したいものは渡せる、
くらいの強度があった方がいいと思います。
むしろここを手厚くしておけばメインのプログラムは参加者が勝手に山を登ってくれる
というくらいが理想かもしれません。



《C メインプログラムについて》

特に言うことはありません、ここがメインです。
ここで求められる成果も、個人的なこともあればクライアントの意向もあれば様々です。
ただ、強度はあった方がいいでしょう。
絶対に失敗しないという強度です。難しいですけどね、でも大事です。
失敗とは何か、ということもありますが、それはまた後ほど。
あと、途中で辞めれる、というのも実は大切です。
最後まで行ければ一番いいですが、ここまででもOKというポイントをいくつか作っておくと、
自分のためにもいいです(笑)。


さてさて、いやいや、で、具体的にどうするの?ということですが、

これがまたなかなか説明が難しいんですよね。

前述した通り、途中でプログラム変えられることが前提なので、

一つのプログラムを提示して終わり、にならないので。

募集型か訪問型でも違うので、まぁとりあえずネタ出しとプログラム構成と、並行して書ければいいかなぁ。

ということでまた次回。