長崎3日目

午前から、福田さんエスコートの長崎坂道登るツアー。
いやーすごかった。
枝北で慣れてはいたけど、スケールが違う。

福田さんの実家からの景色。ここがスタンダード。

玄関明けてこの景色って。いやでも、これ普通。

長崎はここ一年で色んな所に連れて行ってもらったけど、ホントまだまだ把握しきれない。
なんだか外国のようだ。ここで育っていない限り、わからない。
というのが結構はっきりしていて、個人的にはすごく良い。

今日の車で福田さんから教えてもらったレキシというバンド?じゃないか、まぁSBDの池田のユニット。
こんな面白いの知らなかったか。とりあえず、iTunesで全アルバム買ってみた。
まぁまずは名曲「狩りから稲作へ」原曲から。

そしてライブ。

その後のライブ。原曲の足軽先生(いとうせいこう)とMC四天王(スチャダラBOSE)もゲスト参加。

楽しいねー。


で、稽古。
昨日できなかった分の台本を読む。
今日はちょっと思いついたこともやってもらったりして探る。

これで全編の台本もひととおり読んで、いろいろ見えてきたし、覚悟も決まった。
あとはやるだけ。
ただ、みんなでやらなくちゃいけないので、あとはそこ。
あと4回しか稽古ない、というのから、あと3回も稽古ある。くらいには見えてきたと思う。

出る人は不安だろうが、なんとかついて来てもらうことと、お客さんの反応で自分たちのやったことに自信を持ってもらうこと。に責任持てば良い。

岩崎さんとも長崎で自分が作品を作ることの相対的な話をきけて良かった。

これね、関東の人はホント知る人は居ないと思うけど、長崎の市民参加劇のレベルはまぁスゴいんですよ。
これまで長崎が培ってきただけある。まぁ、全国で一番だと思います。
逆に北九州の市民劇は、演劇経験者の方がむしろ出演できないという企画だったので、北九州と長崎では、まぁ両極端な現場なんですね。
ただ、自分の思う市民劇、というのもあるので、今までの長崎の市民参加とそれがどう相見えるかというのがポイントだろうなぁ。

ただ、自分は、基本的に、作品を作る時は、自分が日本一の俳優だと思う俳優としか作りたくないし、作れない。
演出家ですから、そこそこの俳優と作るつもりなんて全くない。だったら作らないでゲームでもしてた方がましだ。
技術の問題でもなくて、技術があろうがそれが自分にとって日本一だと思えなければ使い道が無い。しかし、本人の自覚と関係ない所で、その人が日本一だったりするのが市民参加の良い所で、長崎の、市民なんだけどもこの異様な技術の高さとかもその一因ではあるんだけども、しかし、まぁ、普通に考えれば人間はみんなそれぞれ日本一なわけだから、そこを探せるかのこっち側の話になる、というか、基本そういうことです。

いや、プロは日本トップレベルの技術が前提ですが、一応それ相応のレベルの俳優をこれまで見てきているつもりなので。
たまに地方の俳優さんから東京の俳優のどこがスゴいんですか?とかも聞くんだけども、スゴくない人もいますけども、自分にとって必要な技術の熟練度で計るしか無いんですね。例えば、間を0コンマ何秒で調整できる技術が必要な現場が有るか無いかとかもありますが、でもその技術は持ってくれてた方が自分は助かるんですね、それ出来ることで他に出来ることがかなりあると思ってるので。俳優ならそれくらいやってもらえないと困るんです、自分が作った間を、外から見た時に客観的に調整できる力は必要でしょう。0コンマ何秒で調整も出来る人は、調整しないことも出来ますから。調整できない人よりも、両方出来る人の方が、演出家としては選択肢増えますから、良い俳優です。基本的に、演出家の選択肢を増やしてくれる人、楽させてくれる人が、演出家にとっては良い俳優です。あたり前ですが。

できないことが少ないことが大切だったりもしますから。あ、そうだな、俳優を見る時に、何ができるかよりも、何ができないかを見るタイプかも知れません。できないのは悪いことでもないんですが、言ってることメチャクチャだな。

まぁ時間は無いけど、長崎はこのレベルの高さでやってもらえるのは嬉しい。さすが長崎。
ただね、台詞を言うのが上手いこととか、下手だと思われないこと、というのは、本当に何の価値基準でもない。

プロを目指す人にはよく言うけど、上手く思われたいという欲求で俳優はできない。
よく市民劇とかを見て、プロの俳優が、普通の人のリアルな台詞には勝てない、というのも聞くけども、それはその作品の中では勝てないのはあたり前。
ただ、プロの作品では、参加できるできないのレベルから圧勝なのもあたり前。
素人の方が本当に良ければそうしてる。
『冬の盆』にプロの人が出てたらダメだろうし、『ハムレット』で素人が混ざっててもダメだろう。
本当にあたり前のことしか言ってないな、なんだこれ。
でも大切なことだなぁ。
ただ、自分としては、作品を作る相手としては、全く等価ではある。

ホントそうなんだよな。デスロックで作る時だけは違うけど。今回は演劇やってる人と作品作るんだー、とか、演劇知らない人と作るのかーとか、農業やってる人と作るんだー、とそんな変わんない。農業のプロと作る作業と演劇のプロと作る作業は、そんな違わないんじゃないかな。台詞言うの下手なら言わなきゃ良いだけだし。演劇の人怒るかもしれないけど。
でも、これまであった、人前に出ると何かができなくなる、という段階にもう演劇はいない。
人前で何かすると緊張する、というものではない。
まったくの素人が、普段やっていることを何百人の人の前で行えるくらいのスキルは、演劇はずっと昔から持っている。
ただ、それに気が付いていないだけ、むしろ気付いていたのに特権的にひた隠しにしてきただけだろう。

今回の長崎の特徴は、プロとかアマとかから、あいまい、ってとこでもある。
まぁ実際F’sカンパニーの俳優さんとかも参加してくれているので、完全に混ざってる。
長崎の培ってきたものを、ありがたく受け取ります、それは結構すげーなとホント思うんだけども、あり得ないし、初見でこんなにテキスト読める状態とか。東京のプロでも結構できないよ。ただねー、違う風も吹かせたい。というプロジェクトに参加しているのだし。

ホント、漢字読めないとか、最高なんだよね。あ、この人この漢字今までの人生で読んだこと無かったんだという出会い。
そういうことは、演劇をやっている人間としては大切にしていきたい。

あー、今日プロとアマチュアって何が違うのかっていう話をしようと思ってたんだけどし忘れた。
そういう雰囲気になったらする、くらいがでもいいよな。いきなりそんな話されてもな。

さ、しかし、明日から、結構勝負。
でも、勝負できる感じだと思う。

俺だって、長崎なう。