年末年始と受賞と

明けましておめでとうございます。

いやー、紅白のあまちゃん最終回最高でした。
ユイちゃんと春ちゃんが紅白に出るなんて、、、そして鈴鹿さんも自分の声で紅白出場、、、ホント良かった!


年末は前回のエントリーの感じで、慌ただしく過ごしました。

念願のPerfume東京ドーム2 Daysにも行くことが出来ました。

最高でした。


26日〜30日は夫婦で海外旅行にバンコクに行ってきました。

アユタヤに行けたのが良かった。

バンコクは相変わらず反政府デモ中でした。盛り上がってました。


日本とは大分違ってやっぱり元気のある国でした。
10年前にも一度行った事があるんだけど、観光客からのぼったくり方が完全にデフォルトになってた。
何台止めてもまともな値段でトゥクトゥクやタクシーには乗れない。

食事も英語のメニューがある様な店だと日本とあまり変わらないし。
観光地ってまぁそういうもんなんだろうけど。

仕事で行くと、海外でも国内でも、なかなか観光地には行かないのでけっこう新鮮ではあった。


しっかし、世界中から人来てるんじゃないかって言う感じだったな。
日本人、韓国人、中国人、アメリカ人、フランス人が多かったけど。


ちょうど安倍首相の靖国参拝の時でしたが、日本人も韓国人も中国人も観光を楽しんでました。
韓国に長く居た去年もとても良く考えたけど、政治は政治ですね。



そんなバンコク旅行中に、ビッグニュースが届く。
ソウルで上演した『가모메カルメギ』が東亜演劇賞の作品賞、演出賞、舞台美術・技術賞の3部門を受賞したとのこと。

동아닷컴
(韓国語サイト)

東亜演劇賞というのは東亜日報が主催する演劇賞で、今回で50回目を迎え韓国の演劇賞の中でも歴史と権威のある演劇賞です。
実は他の賞を狙ってはいたんだけども、そちらは候補には挙がるも獲れずで、今回はダメだったと諦めていたんだけども、まさかの東亜演劇賞を受賞するとは、本当にビックリです。


そして、日本人の演出家が正賞を受賞するのも初めての事で、審査会もそれ大分時間がかかったそうです。


ご存知の通りこの作品は日帝時代の朝鮮を背景にした作品で、歴史問題についてはかなり苦労した作品です。
ソウルに滞在中も、東日本の海産物の輸入禁止が決まったり、韓国内での旭日旗掲揚を罪とする法案が提出されたり政治的にはゴタゴタしていました。この一年のパク・クネ大統領による反日キャンペーンもみなさんご存知の通りですね。


ただ、やっぱり政治は政治です。
審査会では、外国人だからどうこうではなく、純粋に良い作品に賞を授賞しようということで、今回の受賞が決まったと聞きました。


2008年に初めてソウルで作品を作ってから、ソン・ギウンさんと共に毎年作品を作って来たわけですが、2人で最初に話していたのは、これまでの日韓のコラボレーションとは違うスタイルを自分たちの世代で作っていこうという事でした。
その時だけの交流ではなく、お互いのやり方や考え方を共有しながら、日韓交流云々ではなくて、普通に面白い作品を作りたいという事。


だから、ソウルでの活動は、日本で作った作品を持って行って上演するのではなく、ソウルで韓国語で作って来たわけで、まぁそりゃ結構大変な事ではあるんですが、特にフェスティバルとかの後ろ盾があるわけでも無く、劇場探しから、演目、俳優を決めたり、お互いに日本と韓国で助成金を申請して予算を組んだり、そんな地道な海外共同活動を続ける中、僕たちの作品を見てくれていたドゥサンアートセンターが作品製作を依頼してくれて、『가모메カルメギ』を製作、上演し、今回の受賞となりました。


なので今回の受賞に至る審査員の方の話を聞くと、本当に嬉しい。
このご時世にも関わらず、歴史を扱った日本人演出家の作品をきちんと評価してくれた事に本当に感謝と敬意を表します。



僕の考えてる事はだいたいインタビューで答えたので、そちらを読んでみて下さい。

동아닷컴
(韓国語サイト インタビュー ※写真がBOWYみたいなことになってます )

TOKYO DEATHLOCK 第50回 東亜演劇賞受賞のご報告
(東京デスロックサイト インタビュー全文)


まぁ日本で自分がもらえそうな賞もないし、というか演出家がもらえる賞が一つくらいしか無いしね、ならば韓国で賞もらえたらそれが自分たちの活動の評価にもなるし嬉しいなと思ってたので、やっぱ嬉しいな。目標達成です。



芸術監督になった時もそうだけど、それが目的ではなくて、その後やりたいことがあるからそれを目指していたわけなので、これから後輩達も興味がある人は韓国でも活動が出来るようになると良いし、日韓、韓日の演劇や、普通の人たちが政治に翻弄される事無く人間として良い付き合いが出来るようになれば良いなと。


ホントに今回の受賞に関しては、これまでの先輩方の交流があっての事なので、特にオリザさんと故パク・カンジョンさんの交流、青年団と劇団PARKの交流があっての僕とソン・ギウンさんの交流なので、さらにこの後に繋げて行かなくてはいけないな。


自分は自分でまたさらに積極的に活動をしていこうと思います。韓国で芸術監督なんてのも楽しいかもなぁ。まぁ韓国の演劇界を考えるとそこまではさすがに無理だろうけども。
まずはカルメギの日本公演を目指します、ソウルでも再演できたら良いなぁ。



外国人として初めての受賞、というのも本当に光栄です。
活動を共にして来た人たち、支えてくれた人たちみんなに感謝です。
ありがとうございます。俺たちやったぜ!


バンコクに行って思ったけども、この数年で外国人として活動・生活する事にも慣れて、国内でもマレビトとして活動する事の方が多くて、異文化受信の解像度がおかしくなってるかも(笑)。

国内にいても、違う!とか、ここ同じ!とか、日常過ぎて、海外旅行とか行っても、あんま衝撃ないという(笑)。
自分と同じバックグラウンドではだれも生きていない事、でもそれがそのまま自分の演劇を支えているのだと思う。
そもそも自分じゃないだけで、もう異文化だしなぁ。



そして、お正月は、富士見の自宅でのんびり、と言っても、もうのんびり期間も終わりますが。

1/3に妻の実家の岡山に顔を出し、1/4〜長崎滞在、いよいよ、大型市民劇『長崎なう〜私たちの街から〜』の本番が1/25、26にあります。
この作品も、長崎市内4つの地域の人たちと、細かい解像度で自分と他者、そしてコミュニティを描きたいと思います。


そして、その次の日、1/27にソウルで授賞式があります。
また慌ただしいスケジュールですが、しっかり受賞してきます。
スピーチ、やっぱ韓国語でした方が良いかしら、しかし、スピーチ的な韓国語、難しいんだよなぁ、、、
できたら2、3日ソウルに滞在して帰ってこようかな。